ちょっと気になるiTMSのこの数字

http://blogs.itmedia.co.jp/honda/2005/08/05/index.html
ちょっと長い引用になるけど、これって米国の事情について「へえ」と思う部分と、日本の状況認識に関して「?」と思う部分がある。
日本と米国の相違は、アーティストと音楽出版社との一般的な著作権印税契約条項において、デジタル配信の場合の料率に関して別枠(米国だと高い%)とする形にはなっていないためだろう。というか、そうできない仕組みがある。「印税1%」という数字は決して驚くべきものではない。原盤印税は定率だろうし、出版印税をメディアによって料率を変える、という商習慣はないだろうし、アーティストの立場も弱いはず。
これって、その良し悪しは別として、あくまでレコード会社や音楽出版社の問題ではなく、JASRACの問題だと思うんですけどね。(苦笑)

 ちなみにEMDサービス会社への音楽出版社からの卸価格は、おおよそ65%前後とのこと。つまりEMDサービスを行うシステムコストは35%前後ということになる。これはモーラでの数字だそうだが、おそらくiTMSでもほぼ同じだろうと話していた。
 ただ、米国の例では、CDのアルバム1枚とiTMSのアルバム1組では、受け取る取り分はほとんど同じって聞いているんだよね。米国の場合、音楽CDは新譜の場合、18ドルというのもあるけれど、安いものは12ドル程度。少し古くなると10ドル以下で安売りすることも少なくない。なので、必ずしもiTMS の方がアルバム価格で安いというわけでもないのだけれど、そういうのもひっくるめて”取り分の割合”はiTMSの方が多くなるそうだ。

 
 つまり(あくまでも米国の事例では)ネット配信による流通の変化によってモノとしてのCDパッケージを流通させる必要がなくなり、その分、中間マージンの割合が減っているということだろう。米国の場合、iTMSのシステム側の取り分は4割ぐらいだというから、システム側とアーティスト側が得る利益の比率が大きくなる、という実に当たり前の状況となり、音楽出版社の取り分の割合は減っている。