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出版の現在、過去、そして未来(立花隆氏)

東京国際ブックフェアの基調講演を受講した。

「知の巨人」が読み解く 出版の現在、過去、そして未来
立花 隆 氏

http://www.bookfair.jp/Conference_Event/Conference_Event01/TB/

その概要をメモしたので以下にまとめる。

 

11年前にも、この基調講演で話をした。そのときも、電子書籍の普及について話した。そういう意味では忸怩たる思いがあって、今度こそ日本国内で電子書籍が 浸透していく、と思う。その根拠は、学校教育の現場にタブレット端末が普及していく動きが出ているから。ここ1~2年で、日本でも電子書籍は一挙に普及するだろう。

電子書籍が普及すると、教育内容だけではなく、本の概念も変わる。

初代キンドルの開発者による、この著書では、(意外なことに)紙の本と比べると電子書籍がいかに劣っているかを指摘している。

本は死なない Amazonキンドル開発者が語る「読書の未来」

本は死なない Amazonキンドル開発者が語る「読書の未来」

 

 「人は何のために読むのか」

1)エンタメ欲求と2)知りたい情報欲求の二つがあるだろう。

後者については、インターネット(Web)の普及により、必ずしも本を読む必要がなくなってきている。全世界的に本を読まない人が増えている。

つまり、本の役割が変わってきているといえる。

紙の本と電子書籍の違いを考えると、紙の本が絶対的に有利な世界というものがある。大きさ、スケール、質感といったものは、(現時点では)電子書籍では再現することができない。

ユングが手書きで書いた「The Red Book」は、まさに紙の本ならではの豪華本だ。

赤の書 ―The“Red Book

赤の書 ―The“Red Book"

  • 作者: C・G・ユング,河合俊雄,ソヌ・シャムダサーニ,田中康裕,猪俣剛,高月玲子
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2010/06/26
  • メディア: 大型本
  • 購入: 1人 クリック: 128回
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電子書籍は、まだまだ紙の本には及ばない。

北斎とその三女である応為(ある時期からは、北斎の作品は応為が描いていたといわれている)による春本のような書籍も紙ならではの高品質印刷で再現している。エロスの世界と本の世界は深い結びつきがある。

キンドルの場合も第二世代になって普及が進んだ理由のひとつに、アダルトコンテンツの充実があったという。)

北斎と応為 上

北斎と応為 上

 

「人間は唯一の本を読む動物」

 本を読まない人の脳は劣化していく。この場合、脳内コンテンツの情報アソートメントがうまくいかない。

 この「アソートメント」という概念については、『書棚と平台』の中で論じられている。

書棚と平台―出版流通というメディア

書棚と平台―出版流通というメディア